富山県は全国一、年間1000万球の球根を生産する日本一の産地。チューリップの生育に適した気温、日照時間、肥沃な土地、豊富で良質な水など、自然の恵みがあるので養分をたっぷりと含んだ球根を生産することができます。球根の栽培技術はもとより、お客様に喜んでいただけるような商品作りにも力を入れており、チューリップなどの球根植物を通じて、お客様に花を育てる楽しさや喜びをお伝えできればとても嬉しく思います。
富山県花卉球根農業協同組合
石田 智久さま
富山のチューリップ栽培は、大正7年(1918年)に水野豊造が種苗会社から取り寄せた10球の球根を試作し、切花として販売したことに始まります。その珍しさから高値で売れ、収穫した立派な球根を水田裏作として栽培するアイデアが生まれました。大正12年に本格的な栽培が始まり、昭和23年には生産者が「富山県花卉球根農業協同組合」を設立し、県全体の生産・流通体制を確立。幾多の困難を乗り越え、今日の発展に至っています。
チューリップはバラの次に品種数が多い花であり、花色、花形が多彩であることが魅力です。品種により開花時期も異なることから組合せ次第で楽しみ方が広がります。また、県研究機関や球根生産者が日本の気候風土にあった「富山オリジナル品種」を100品種以上生み出し、そのうちの「黄小町」は富山県生産量ナンバー1を誇る品種となっており、花びらが幾重にも重なりドレスのような珍しい花形の「乙女のドレス」は、2022年国際園芸博覧会で金賞を受賞するなど世界的にも魅力を認められました。
100年余り歴史ある富山のチューリップも年々生産者が減少しています。産地を盛り上げるべく、チューリップの楽しみ方や産地情報をSNSやファン倶楽部活動も始めました。産地とお客様を繋ぐ、農業体験や環境に配慮したパッケージへのリニューアル、フラワーロス低減等も今後取組んでいきたいと考えています。